ベトナム映画「パパとムスメの7日間」プレミア試写会レポート
ベトナム映画「パパとムスメの7日間(Hồn Papa Da Con Gái)」は、2016年12月公開の「サイゴン・ボディガード(Vệ Sĩ Sài Gòn)」に続いて落合賢監督が手掛けたベトナム映画の2作目です。2018年12月28日の公開に先立ち、12月20日にホーチミン市で、21日にハノイ市でそれぞれプレミア試写会が行われました。
「パパムス」は五十嵐貴久氏の同名小説が原作。今回のプレミア試写会には、五十嵐先生ご自身も登壇されました。
A-TIM’sでは、ホーチミン市で行われたプレミア試写会を取材。当日の会場の様子、ゲスト、イベント・試写会、映画の感想などについてのレポートをお届けします。
会場の様子
ホーチミン市でのプレミア試写会の会場は、2区のロッテシネマ・カンタビル(Lotte Cinema Cantavil)。映画館のフロア全体がパパムス仕様になっていて、入ってすぐのところにオブジェ、壁一面にポスター(ゲストの写真撮影スポット)、「NOW SHOWING」もすべてパパムスのポスター。
奥に設けられたステージのスクリーンでは、パパムスの予告編が流れていました。今回はベトナムの「カフェ・ルナム(Cafe Runam)」がスポンサーの1つなので、会場で配られるドリンクはルナムのベトナムコーヒーでした。
18時からゲスト会場入り・交流、19時からイベント、19時半から試写というスケジュールで、18時から19時の間に続々とゲストが会場に入ってくるので、たくさんの地元メディアの方々がレッドカーペットの前を陣取っていました。
ゲスト(写真あり)
ゲストを写真とともに一挙にご紹介します。
↑ Chí Tâm(チー・タム):Chàng Múp(チャン・ムップ)役で出演。2017年4月公開、Charlie Nguyễn(チャーリー・グエン)が脚本・製作を手掛けた「17歳の恋愛注意報!(Em Chưa 18)」でケイティ・グエンと共演。
↑ Jackie(ジャッキー):チー・タムと同じく「17歳の恋愛注意報!(Em Chưa 18)」に出演。
↑ 落合賢監督
↑ MC Tùng Leo(MCトゥン・レオ):MC役で出演。
↑ Thái Hoà(タイ・ホア):「パパ」のHải(ハイ)役で出演。
↑ Bảo Nhân(バオ・ニャン)、Nam Cito(ナム・チト):映画監督。2人で2018年12月公開の「Gái Già Lắm Chiêu 2(The Cougar Queen)」を監督。
↑ Trang Hý(チャン・ヒー):「ムスメ」の親友のKhánh(カイン)役で出演。
↑ Kaity Nguyễn(ケイティ・グエン):「ムスメ」のChâu(チャウ)役で出演。
↑ Trịnh Thảo(チン・タオ):DJのYến(イエン)役で出演。
↑ Gi A Nguyễn(ジー・アー・グエン):「ムスメ」の元カレのVũ(ヴー)役で出演。
↑ Huy Me(フイメー):2016年2月公開の「Siêu Trộm(Bitcoin Heist)」などに出演。
↑ Thành Lộc(タイン・ロック):「パパ」の会社のCEOのQuang Nguyễn(クアン・グエン)役で出演。
↑ Only C(オンリー・シー):歌手。「パパムス」に使われている「Điều tuyệt vời nhất」を歌う。
↑ Mai Thanh Hà(マイ・タイン・ハー):女優、モデル。
↑ Yaya Trương Nhi(ヤヤ・チュオン・ニー):女優、モデル。
↑ Hứa Vĩ Văn(フア・ヴィー・ヴァン):2018年8月公開、チャーリー・グエンが監督の「Chàng Vợ Của Em(My Mr. Wife)」や2015年12月公開の「ベトナムの怪しい彼女(Em Là Bà Nội Của Anh)」などに出演。
↑ Charlie Nguyễn(チャーリー・グエン)氏
このほか、「パパムス」でNhung(ニュン)役のKathy Uyên(キャシー・ウエン)と先生役のTuyền Mập(トゥエン・マップ)が登場したほか、Hoàng Yến Chibi(ホアン・イエン・チビ、「輝ける日々に(『サニー』ベトナム版)(Tháng Năm Rực Rỡ)」など出演)、Mai Thế Hiệp(マイ・テー・ヒエップ、「Siêu Trộm(Bitcoin Heist)」など出演)、Lê Thùy Linh(「Em Gái Mưa」など出演)、歌手のHồng Hạnh(ホン・ハイン)などがゲストとしてレッドカーペットに登場しました。
↑落合監督、チャーリー・グエン氏、ケイティ・グエン、タイ・ホアらが並んで撮影。
↑落合監督からカメラ目線もいただきました。
↑2人ともとてもかわいくて仲が良さそう。
↑これはおまけ。一瞬のできごとでブレブレですが、タイ・ホアが原作者の五十嵐先生にお礼を言ってお辞儀をしているところ。
イベント・試写会
イベントでは、落合賢監督、プロデューサーのチャーリー・グエン氏、脚本のMichael Thai(マイケル・タイ)氏のほか、タイ・ホアとケイティ・グエン、チャン・ヒー、タイン・ロック、チン・タオ、ジー・アー・グエン、チー・タムらキャストに加え、原作者の五十嵐貴久氏が登壇しました。さらに、「パパムス」で「Điều tuyệt vời nhất」を歌うオンリー・シーがステージでこの楽曲を披露しました。
イベント後は、8スクリーンに分かれての試写会。予告編の後、本編上映前に、チャーリー・グエン氏、落合監督、チャン・ヒー、キャシー・ウエン、ケイティ・グエン、ジー・アー・グエンが登場し挨拶。
以下、チャーリー・グエン氏の挨拶(ベトナム語から日本語への意訳です)。
「以上が予告編です。皆さん既に何度もご覧になったでしょう?このスクリーンの部屋にはメディア関係者の方々が集まっておられるわけですが、ここでお話をするのが一番緊張します。何を書かれるかわからないので(笑)。タイ・ホアなんてさっきここに入ろうとして、怖くなってどこかへ逃げてしまいました(笑)。私はもうここ何年もずっとタイ・ホアと一緒にやってきているのですが、今回、おもしろい映画の案があるということで、これはタイ・ホアとケイティにキャスティングしたい、と思ったんです。これから上映するのは、ついさっき、16時(上映の4時間前)に作業が終わったばかりのできたてホヤホヤです。とにかくたくさん笑って楽しんでください!」
チャーリー・グエン氏は、「メディアの皆さんが一番怖い。皆さん、お願いですからとにかく笑って!楽しんで!」と繰り返していました。
映画の感想(ネタバレなし)
映画本編は、くすっとした笑いに大爆笑に、悲鳴に似た笑いに、とにかくたくさん笑える作品でした(チャーリー・グエン氏のお話の通り!)。一方で心がぎゅっと切なくなったり、ほろりとしたり。観客が登場人物と一緒になって笑ったり泣いたり、そして家族について考えたり。
入れ替わってからのパパ役のタイ・ホアとムスメ役のケイティ・グエンの演技がまたすばらしくて、姿勢から歩き方、話し方、食べ方まで、タイ・ホアは女子っぽく、ケイティ・グエンはおっさんっぽく、「パパ」と「ムスメ」を見事に演じ分けていました。でもまわりの人たちは2人が入れ替わっていることを知らないわけで、それぞれ代わりに学校へ行ったり会社へ行ったりしているときは「演技」をしているので観ている方ははらはらどきどきです。
笑える一方で、ムスメを想うパパの気持ち、パパを想うムスメの気持ちが交差しながら、お互いのために全力を尽くす、というのがまた泣けるのです。
なお、この映画の登場人物としてはやはり「東京本社のミヤモトさん」が見どころです!
五十嵐貴久先生インタビュー記事
ホーチミン市とハノイ市でのプレミア試写会のためにベトナムを訪れ、イベントに登壇された五十嵐先生。ご自身の最新作「コヨーテの翼」の発売日はベトナムで迎えられたそうです。
会場でA-TIM’sは、プレミア試写会に登壇した五十嵐先生に「パパムス」のベトナムでの映画化に対する感想などお話をおうかがいしました。インタビュー全文です。