ベトナム映画「ソン・ランの響き」2/22より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

ソン・ランの響き(Song Lang)
©2019 STUDIO68

ベトナム映画「ソン・ランの響き(原題:Song Lang)」が、2020年2月22日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開となる。

「ソン・ランの響き」は、1980年代のベトナム・ホーチミン市が舞台。借金の取り立て屋ユンと、ベトナムの伝統歌劇「カイルオン」の花形役者リン・フンの刹那的な3日間の出会いを、退廃的で美しい当時のビジュアルとともに描いた物語となっている。

ユンを演じたリエン・ビン・ファットの演技が世界中の映画祭で話題を呼び、第31回東京国際映画祭ジェムストーン賞、ベトナム映画協会最優秀作品賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞をはじめ、国内外で37もの賞を受賞している。

「ソン・ランの響き(Song Lang)」

概要

監督のレオン・レ(Leon Quang Lê)はホーチミン市生まれ。幼いときに家族と共に米国に渡り、俳優、歌手、ダンサーとして活躍した後、帰国。本作が長編劇映画監督第一作となる。

プロデューサーはゴー・タイン・バン(Ngô Thanh Vân)

主演のリエン・ビン・ファット(Liên Bỉnh Phát)は映画初出演の本作で第31回東京国際映画祭ジェムストーン賞を受賞。

カイルオンのスター、リン・フンを演じるのは、元365dabandメンバーのアイザック(Isaac)。4作目の映画出演となる本作では伝統的な歌劇のスターを見事な歌声と踊りで完璧に演じてみせた。

あらすじ

高利貸しの手下で借金の取り立て屋ユン(Dũng/ズン)と、ベトナムの伝統歌劇「カイルオン(cải lương)」の花形役者リン・フン(Linh Phụng)。全く接点のないはずの2人があるきっかけで知り合い、友情にも似た感情を互いに抱く。ユンは過去の記憶に囚われながらも新たな道を進もうとするが、その罪は償うにはあまりにも大きく、抗えない運命が迫っていた……。

ソン・ランの響き(Song Lang)
©2019 STUDIO68

カイルオン(cải lương)

ベトナム版オペラともいえる大衆演劇の一つで、ベトナムの民謡、古典音楽、現代演劇の集約。20世紀初頭のベトナム南部で誕生し、1930年代のフランス植民地下、中産階級の劇場で花開いた。特に1960年代のベトナム南部で人気があった。

ソン・ランの響き(Song Lang)
©2019 STUDIO68

ソン・ラン(song lang)

ベトナムの民族楽器で、伝統的な室内楽の拍を打つのに用いられる打楽器。楽曲の最初と最後で用いられる。

映画「ソン・ランの響き」予告編

各界著名人からの絶賛コメント


映画にはどうしても見逃してはならない瞬間がある。二人の美しい男が出会うとき、瞬きするのも忘れてすでに誘い込まれている。愛の始まり、あの瞬間、この瞬間も、世界は二人のものだと錯覚したくなるほどに。
――睡蓮みどり(女優・文筆家)


青年ふたりの目は無情なのに優しい。
人生の物足りなさや曖昧さを感じていた彼らがお互いの心を通わせた時、このふたりをずっと見ていたいと思いました。
ベトナム映画の魅力にどっぷり浸からせてもらいました!
――加藤るみ(タレント)


心に傷を抱えて生きるふたりの純愛。
時代や国や文化が違っても、そして同性同士でも、普遍的な愛がある。
力強く生きなければならない現実と、内に秘められた人間らしい優しさ。
切なさと美しさに、胸が震えます。
――東小雪(元タカラジェンヌ/LGBTアクティビスト)


緑と琥珀に染まったこの場所は、1980年代のサイゴンであり、ウォン・カーワイの60年代香港にも通じる
「魔法の空間」でもある。ユンとリン・フンに感情移入しているつもりが、魔法(映画)に絡めとられる快楽。
――溝口彰子(『BL進化論』シリーズ著者)


世の中には“知られざる人生”がある。誰かに告げることも、誰かが語り継ぐこともない、それゆえ誰にも知られることがない、とてもパーソナルな物語のことだ。そんな小さな物語が誰かの人生を変えてゆく。ここにあるのは、
かくの如き秀麗なる邂逅だ。
――松崎健夫(映画評論家)


相手の「負」の部分こそを敬うこと。
リスペクトの本質と、友情の根源。
深くすがすがしい筆致で、映画『ソン・ランの響き』は、それを明らかにする。
――相田冬二(映画批評家)


AMラジオから漏れる音、ブラウン管テレビから発する光、カイルオンの弦楽器ダングエットやベトナムギターが奏でるビブラート。揺らぎ定まることのない数々の波は、人々の生と性の在り方にも影響を及ぼす。曖昧であることの美しさと正しさ。そんなに昔ではないロマンがまだあった時代の小さなお伽噺。
――ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン、美術家)


影と光のように、二つで1つの孤独な魂たちが妖しげな路地で密やかに溶け合う。
日本よりも「陰翳礼讃」という言葉の似合うサイゴンの街並みの美しさ、
物語が進むにつれメキメキ色っぽくなる二人の名優。必見!
――小野美由紀(作家)


「ソン・ランの響き」

<スタッフ・キャスト>

監督:レオン・レ
脚本:レオン・レ、ミン・ゴック・グエン
撮影:ボブ・グエン
プロデューサー:ゴ・タイン・バン
製作:STUDIO68
出演:リエン・ビン・ファット、アイザック、スアン・ヒエップ
提供:パンドラ
配給協力:ミカタ・エンタテインメント
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
【2018年/102分/ベトナム】

公式ホームページ:http://www.pan-dora.co.jp/songlang/
Twitter:https://twitter.com/songlang_

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