【ベトナム映画名鑑】第三夫人と髪飾り (Vợ Ba)

2021-03-22

映画「第三夫人と髪飾り (Vợ Ba)」の作品データベースです。映画のあらすじ、キャスト、監督など制作スタッフのほか、字幕の有無や日本語版DVDの発売情報など、映画「第三夫人と髪飾り (Vợ Ba)」について紹介しています。

作品データ

The Third Wife (Vợ Ba)
製作国ベトナム
原題Vợ Ba
英題The Third Wife
邦題第三夫人と髪飾り
ジャンルドラマ
言語ベトナム語 (英語字幕あり)
時間93分
公開2019年5月
監督Ash Mayfair (アッシュ・メイフェア) ※ベトナム語名:Nguyễn Phương Anh (グエン・フオン・アイン)
脚本Ash Mayfair (アッシュ・メイフェア) ※ベトナム語名:Nguyễn Phương Anh (グエン・フオン・アイン)
製作Trần Thị Bích Ngọc (チャン・ティ・ビック・ゴック)
公式サイトhttp://crest-inter.co.jp/daisanfujin/
受賞歴・第40回カイロ国際映画祭:最優秀芸術貢献賞 (2018)
・第54回シカゴ国際映画祭:ニューディレクターズ・コンペティション部門ゴールドヒューゴ賞 (最優秀作品賞) (2018)
・第66回サン・セバスティアン国際映画祭:新人監督部門TVE-Another Look Award (2018)
・第43回トロント国際映画祭:NETPAC賞 (最優秀アジア映画賞) (2018)
・第23回釜山国際映画祭:アジア映画の窓部門出品 (2018)
・第34回ワルシャワ国際映画祭出品 (2018)
ほか
DVD日本語版DVDあり:「第三夫人と髪飾り」
(販売元:TCエンタテインメント、2020年6月10日発売)
動画Amazonプライム・ビデオ

ソース:CGVThanh Nien

あらすじ

19世紀のベトナム北部。14歳のメイはその地を治める富豪のもとに、三番目の妻として嫁いでくる。一族が暮らす大邸宅には、唯一の息子を産んだ穏やかな第一夫人、3人の娘を持つ美しく魅惑的な第二夫人がいた。まだ無邪気だったMây(マイ/日本語版ではメイ)は、この家では世継ぎとなる男の子を産んでこそ奥様になれることを知る。そして妊娠。出産に向けて季節が流れる中、第一夫人も妊娠していることが発覚。時を同じくしてメイは、第一夫人のひとり息子ソンと、第二夫人のある秘密を知ってしまう―――。

登場人物/キャスト

Mây (マイ) 役:
Nguyễn Phương Trà My (グエン・フオン・チャー・ミー)

Hùng (フン) 役:
Lê Vũ Long (レ・ヴー・ロン)

Hà (ハー) 役:
Trần Nữ Yên Khê (トラン・ヌー・イエン・ケー)

Xuân (スアン) 役:
Maya (マヤ) ※別名:Mai Thu Hường (マイ・トゥー・フオン)

解説

ベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン(Trần Anh Hùng、ベトナム語読み:チャン・アイン・フン)氏が美術監修を務め、脚本に惚れ込んだスパイク・リー(Spike Lee)氏が資金援助するなど巨匠たちのバックアップを得て作られた話題作。

Ash Mayfair(アッシュ・メイフェア)監督(本名:Nguyễn Phương Anh(グエン・フオン・アイン))は、1985年生まれのホーチミン市出身。ベトナムで生まれ育ち、14歳のときにベトナムを離れ、オーストラリア、イギリス、アメリカで教育を受けました。イギリスのオックスフォード大学で英文学の学士号を取得し、ロンドンの王立演劇学校で舞台監督の養成を受け、その後、アメリカのニューヨーク大学大学院で映画制作を学び、美術学修士号を取得。「The Silver Man」(2011)、「Grasshopper」(2012)、「No Exit」(2017)などの短編映画を手掛け、多数の国際映画祭で上映されています。

アッシュ・メイフェア監督の長編デビュー作となった「第三夫人と髪飾り(Vợ Ba)」は、2015年から約5年をかけて完成し、2019年にようやく母国での公開に漕ぎつけました。この映画は監督・脚本、プロデューサー、撮影など、いずれも女性ばかりのスタッフで制作されました。ストーリーはアッシュ・メイフェア監督の曾祖母の実話が元になっています。舞台は、ベトナムで初めて、東南アジアでも初めてのユネスコ世界複合遺産に登録されたニンビン省チャンアン。「第三夫人と髪飾り」は、2014年に「Spike Lee Film Production Fund」を受賞。2015年にニューヨーク大学卒業生の最優秀脚本賞「NYU Purple List」にも選出されました。そして、同年にトラン・アン・ユン監督とファン・ダン・ジー(Phan Đăng Di)監督主催のワークショップ「Gặp Gỡ Mùa Thu(オータム・ミーティング)」でグランプリ、2016年に「Hong Kong – Asia Film Financing Forum」の海外作品部門最優秀賞などを受賞。Hong Kong – Asia Film Financing Forumでは「White Light Post-Production Award」も受賞し、資金を得ました。

ベトナムでの公開に先立って、各国の映画祭などで上映され、数々の賞を受賞しています。既に28か国・地域で版権が購入されたとのこと。中国語タイトルは「落紅」。

ベトナム公開の前には、アメリカのニューヨーク・タイムズでも「The Third Wife’ Review: Cruelty and Sensuality in 19th-Century Vietnam」のタイトルで記事が掲載されました。このほかにも、いくつかの海外メディアで取り上げられています。

撮影当時13歳だったNguyễn Phương Trà My(グエン・フオン・チャー・ミー)がラブシーンを演じたことについて批判の声もあがっていますが、チャー・ミーの母親は、撮影現場には女性スタッフしかおらず、母親も現場に付き添っていたため問題ない、としています。なお、この映画はレイティングがC18(18歳未満の入場・鑑賞禁止)となっています。

ベトナムではこのラブシーンが問題となり、公開からわずか4日で上映中止となりました。

2019年10月11日より、Bunkamuraル・シネマほかで日本全国順次ロードショー。

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