ベトナムの映画館で「ハイ・フォン」を観たら…※ネタバレなし【中の人ブログ】
Ngô Thanh Vân(ゴー・タイン・バン)主演のベトナム映画「ハイ・フォン(原題:Hai Phượng、英題:Furie)」がついにベトナム現地で公開されました!
この映画、米国で2019年3月に公開され、さらに2019年3月8日(金)から17日(日)まで開かれる「第14回大阪アジアン映画祭(Osaka Asian Film Festival 2019)」で日本初上映となります。
そんなわけで、ベトナム現地の映画館で「ハイ・フォン」を観てきました。
CGVで「ハイ・フォン」を観る
私は韓国系シネコンのCGVで観ました。
入るとすぐに、「ハイ・フォン」の看板。テンションが上がります。
この日は公開からまだ数日しか経っておらず、ゴー・タイン・バン主演の注目映画ということもあって1日の上映回数がなんと30回近いシネコンもありました。私が行ったところもしかりで、ふらりと行っても待ち時間ほぼなしで観られました。写真の右にある数字は、空席数/座席数です。満席ばかりかと思いきや、かなり空いている。何となくのイメージですが、ベトナムでは公開から少し日が経って映画の口コミが広がってから混み始めるというパターンも結構あるような。
喫煙シーンとレイティングのこと
映画の最初に喫煙シーンに関する警告文がありました(喫煙の健康被害が云々という内容)。これは、2018年11月15日に発効したベトナム文化スポーツ観光省の通達25/2018/TT-BVHTTDLで、映画の中の喫煙シーンの制限に関する規定が新しくなったからかと。
歴史的な背景(歴史上の人物がたばこを吸っていた、など)として必要な場合と、喫煙を批判する場合を除いて、基本的に喫煙シーンは不可。ただし、芸術的な目的のために喫煙シーンを入れる場合は、当局の許可を得る、という通達です。
この映画のレイティングはC18(18歳未満の入場・鑑賞禁止、日本でいうR18+)ですが、これは暴力シーンが多いのと、喫煙シーンがあるからかしら。
本編の見どころ※ネタバレなし
映画の本編は、日本でも上映されるのでネタバレなし。とにかく激しいアクションシーンが満載で、ゴー・タイン・バンがかっこいい。一方で、母娘の不器用な関係、Hai Phượng(ハイ・フオン)の悲しく切ない過去、裏社会の闇も色濃く描かれていて、息を飲んで見入ってしまい、ストーリーに巻き込まれて気が付いたら終わっていました。とってもおもしろかった。
映画には、裏社会の元住人で、娘を誘拐した人身売買ルートの情報を握っている男の役として歌手のPhạm Anh Khoa(ファム・アイン・コア)も出演。彼が映画のエンディングも歌っています。また、ハイ・フオンの元同僚役でYaya Trương Nhi(ヤヤ・チュオン・ニー)も出演しています。
ベトナム人のリアクション
ベトナムの映画館で映画を観るといつも感じるのが、ベトナム人の観客のリアクションがものすごく素直だということ。日本人と笑いどころが違うなぁとも感じますが。以前、現地で「君の名は。」を観たときは、私がボロボロ泣いているシーンでベトナム人から笑いが起き、さらにラストシーン、映画の一番良いシーンでもどっと笑いが起きて終わるという。
今回もほぼ終始シリアスで笑いどころはないんですが、ところどころで笑いが起きていました。でも!一番びっくりしたのが、アクションシーンのクライマックスで観客から「ヒュー!」という声と拍手が沸いたこと!確かにかっこよかったし見どころシーンだったけれど。びっくりしつつも日本人にはないリアクションだ!と新鮮でした。
本編が終わったらエンドロールなんて観ずにすぐに席を立つのもベトナムの映画館あるある。私はエンドロールの後に小ネタがあるんじゃないかと楽しみにしているのと、スタッフやキャストをチェックしたいので最後まで必ず観るけれど、ほぼ100%、自分が最後に席を立ちます…。
ベトナムでの公開直後に日本でも上映というなかなかない機会。日本にお住まいの方は「第14回大阪アジアン映画祭」で、現地にお住まいの方は映画館でぜひ観てみていただきたい作品です。